高知新聞社会福祉事業団 軽費老人ホームA型 軽費老人ホームA型 あかねの里

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掲載日:2017年4月27日

教科書を愛読書に

 新年度が始まり、訪れる先々で目にするフレッシュマンはすがすがしいものがあります。初心を忘れず、夢がかなえられるよう頑張ってほしいと思います。そんな出会いがあったことにも触発されて福祉の勉強をした折の教科書をあらためて開き直してみました。高齢者についての単元は職務の必然性から特に頑張ったはずです、しかし…。「高齢者が要介護に陥る五つの原因は何?」。認知症……、高齢化による衰弱……、残りは数分考えても思い浮かべませんでした。教科書によれば、残りの三つは脳血管疾患、骨折・転倒、関節疾患でした。「老年症候群を改善する主要な三つの介護予防プログラムは何?」。これは全く分かりませんでした。運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能向上の三つでした。言われてみれば、「そう言えばそうだ」と当たり前でもあり、職務を執行する上でも大切なことです。

 そして、勉強したころはいずれの問題もすべて答えられていたはずです。職員にも同じ質問を試してみました。結果は私と似たようなもので、「試験に合格するために勉強しており、合格した後は忘れてしまった」と苦笑いしています。しかし、介護をする上での入門編となるこれらの知識は頭に入っているのと、入っていないのでは仕事のやりやすさ、成果は大きな開きが出てくるのではと思います。理解していれば、実務の方法も違うことがあるでしょう。他の業界はどうなのでしょうか。福祉に近い医療は学生時代の学習を元に次々と見識、技量を深めているのでしょうか。最先端を行くIT関係はどうでしょうか。

 学生時代に習得した知識、技量は基礎的なものですが、それでいて広範囲にわたり、実務ではさほど活用しないものもあります。しかし、上で述べたような知識は実務でも不可欠で反復、反すうしながら、受験勉強後も頭に入れていてほしいものです。では、どうしたら知識、技量を思い起こし、積み重ねていけるのでしょうか。

 この4月からしばらくの間、再度、学生時代の教科書や参考書を読み直してもらうことにしました。「書籍の中で一番苦手なものは何か」と問われると、多くの人が「教科書」と答え、理由として「なんか難しいことをいかめしい言葉で書いている」と述べるはずです。私たちの施設では介助はありませんから、教科書で復習する分野はグッと狭まり、さほどの時間は要さないと思われます。そして、「教科書は丁寧で分かりやすい。読んでいて新鮮だ」と笑みを浮かべます。実際、実務を数年経てから読み返すと、難しさは消えて親しめるものです。現場で研さんを積んだ分、より高い立場、広い視野で教科書に接することができるからです。

 さらに心も学生時代のころに心が立ち返ることもあるでしょう。「あの頃は合格しようとよく頑張った」「友達と励まし合った」「福祉の道への夢もあった」などと懐かしく思い起こすことも多いかと思われます。あさってからの大型連休、特別な用事がない方は就業の原点となった学生時代の教科書を読み返してみませんか。そして、生涯を通した愛読書のひとつ、座右の書のひとつに教科書を加えませんか。

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