高知新聞社会福祉事業団 軽費老人ホームA型 軽費老人ホームA型 あかねの里

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掲載日:2017年7月25日

「わがままも少し聞いて」

 今日7月25日は土用の丑の日で、施設のお昼にはうな丼が出ました。予算に乏しい施設で給食費予算をやりくり、季節の素材を使った季節感を出してくれる栄養士の工夫に感謝します。利用者も昼食前に「きょうはうな丼です」とのお知らせがあると、心なしか食堂に集まる時間がいつもより早かったような気がしました。実際、調理職員は「うな丼を食べるためデイサービスを休んだ利用者もいて、今日は欠食が少なかった」と言い、うれしい次第です。もちろん、利用者からは「脂が乗っており、口の中で溶けるかのように柔らかい」「ご飯も多めに盛ってもらった」と久しぶりに健啖ぶりを発揮していました。暦の巡り合わせで今年は土用の丑の日がもう一日、8月6日に巡ってきますが、栄養士の再度の腕の見せ所? でしょうか。

 利用者の笑っている顔、喜んでいる顔、満足している顔を見ていると、職員はうれしくなり、また、仕事への張り合い、生きがいにつながります。しかし、そんなこととは逆のことをしなければならないことも、行政の指導監督のもとに置かれ、共同生活の場であれば考えられます。今日は利用者さんに集まってもらい、今後のお風呂の利用について話しました。義務ではないのですが、1年間に2回、浴槽の水質検査を行っており、7月の検査でほんのわずかですが基準を上回るレジオネラ菌が検出されたからです。

 施設の移転、建設時に利用者の要望も受け入れてジェットバブル(気泡)風呂を設置しました。利用者も泡を肩や腰に当てたりし、「こりゃ腰の痛みが引く」「疲れが取れそう」と好評でした。ところが時代が変わると、この泡ぶろがやっかい者扱いにされるようになってきました。気泡が水中の水と混ざり大気中に進出し、呼吸とともに肺に入り込むことがあるようです。浴槽のお湯に有害な菌類がないのなら問題はありませんが、レジオネラ菌などはどこからでも湯水に混入する恐れがあるといいます。肺の中に吸い込まないためには、浴室の大気にレジオネラ菌が発生しなければよく、大気中に発生させないためには気泡発生装置を稼働させないことが肝要とのこと。行政も撤去を勧めています。そこで「皆さんの健康維持のため気泡装置を撤去します」と話しました。合わせて5月のしょうぶ湯、12月のゆず湯など季節の風呂の中止も加えました。循環風呂の場合、そのような有機物の脂などが配管を傷めることがあり、また有機物が栄養となり菌類が繁殖する原因にもなるらしいのです。

 高齢者のお気に入りの一つはやはりお風呂です。室内での生活時間が若いころに比べて長くなり、お風呂の楽しみは格段です。思うに健康増進法の施行に伴い、施設内での節煙、分煙が進み、今では建物の外に設けられた一角だけで喫煙は許されているといった塩梅です。また、誕生会などで出されるお酒も深酒をしないよう、ほろ酔い気分となった段階でおしまいにしています。お酒による事件、事故の発生を施設が危惧するからです。節酒した段階では「生殺しではないか」との反論もありましたが、今ではそのような声が聞かれません。このことも利用者の中の「あきらめ」をうかがわせます。給食の塩分の甘辛も一時は利用者を二分するほどの問題でしたが、今ではすっかり沈静化しています。

 利用者の安全、健康管理は最優先すべきことですが、「先が短いわけで、わがままも少し聞いてほしい」との以前の訴えを心の中で反すうしています。

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