高知新聞社会福祉事業団 軽費老人ホームA型 軽費老人ホームA型 あかねの里

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掲載日:2017年9月11日

発表曲の練習あれこれ

 18日の「敬老の日」を中心に高知県でもお年寄りを敬愛し、長寿を祝う諸行事が展開されています。私たちの施設でも15日に「敬老会」を開くことになり、その席で4曲を披露する合唱部と合奏部は最後の練習に熱が入っています。「里の秋」「浜千鳥」「ふるさと」の童謡に、新しい歌もこなそうと東日本大震災復興支援のテーマソング「花は咲く」を加えました。幼少のころ慣れ親しんだ童謡は数回練習すると、詞も曲も思い起こし、滑らかなメロディーを奏でています。難渋しているのはやはり「花は咲く」です。この曲はテレビでも度々流され、利用者の皆さんも耳に覚えがあり、聞く分は確かに良いものがありますが、実際楽譜を前に歌うとなると四苦八苦してうまく歌えない状態です。

 まず今風の歌が、言葉が話されるようにそのまま曲に乗っていないことにも起因しています。例えば「誰かの歌が聞こえる」とのフレーズは「誰かの歌が」と「聞こえる」、いわゆる主語と述語に分かれて歌いやすいのですが、「誰かの笑顔が見える」は「誰かの笑顔」と「が見える」に分かれ、主語を表す「が」が、後ろの述語に結合しています。一般的な会話や文章とは異なっており、歌いにくいものがあります。日本語のイントネーション研究に大きな成果を残した金田一春彦博士(1913~2004)が「現代の歌曲は作詞・作曲が調和しておらず歌いにくい」と言ったことを思い出しました。さらにこれまでの歌唱曲は、歌詞のある程度の長さに応じて息継ぎの個所が平均してあるのに対し、この曲は息継ぎの間の歌詞の長さに長短があります。これも今様の歌の特徴かもしれません。高齢者は息継ぎまで長い個所では酸欠になるかもしれません。

 また、ガ行の音、歌詞では「誰かの歌が聞こえる」「悲しみの向こう側に」の「が」の音がなかなか発声しにくいことです。ガ行の音は文頭にあると鼻から声を出すことはありませんが、文中にあると声は鼻から出す必要があります。ところが高知方言でのガ行は一切、鼻から出ることはありません。東日本の人々はこの使い分けができますが、西日本の人々はできにくいようです。鼻から抜けるガ行音は柔らかくなるためこのような優しさをテーマにした曲はさらに優しさが増すと指導者は言います。ちなみに皇后陛下はご成婚前にガ行の使い分の練習を重ねたと聞きます。

 言い訳もそこまでで、もう開催日まで数日となってきています。やはりこんな時必要なことは練習、また練習です。利用者は合同練習の時だけでなく、自室でもCDを聞きながら自主練習に励んでおります。また、高齢者向けに編曲して伸ばすところ、息継ぎするところなどは臨機応変にしています。ガ行の音はもうこだわりません。身内の発表会ですから、そこは許されるとして…。

 残す工夫は少しでも華やかさを醸し出しことです。NHKテレビでは「花は咲く」を歌うスターがそれぞれガーベラの花一輪を手にしています。私たちもそれをまねて合奏・合唱するメンバーもガーベラで飾ることにしました。ガーベラの花言葉は「希望」「前向き」「常に前進」「限りない挑戦」「我慢強さ」「感謝」など素敵で、復興への気持ちが湧きおこります。施設でも利用者に積極的に生きてもらうため、ヒントを得て施設の花に選定しようかとも考えます。

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