高知新聞社会福祉事業団 軽費老人ホームA型 軽費老人ホームA型 あかねの里

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掲載日:2017年9月19日

女心と秋の空

 NHK朝の連続テレビ小説「ひよっこ」は出ているすべてが善人で、すがすがしく、また励まされます。今日は主人公の父母が二人の来し方を語る場面が設定され、妻が夫に「女心が分からない人ですね。しかし、そんなところが好きです」とのくだりがありました。夫が東京での出稼ぎ中に暴漢に襲われて記憶喪失となり、助けてくれた女性との数年の生活を正直に話そうとの気持ちを伝えたときのことです。夫が見つかり家族一同の生活が再開されても、行方不明時のことは夫婦の間ではなかなか触れられていないストーリーでした。

 このような状況は一般的にはさほどあり得ませんが、絶対にないとは言えません。私だったら伝えたいのか、伝えたのか。妻は知りたいのか、知らないほうがいいのか。しばらく考えながらも結論づけることはできませんでした。やはりためらいながらも踏み切れず、時が過ぎていくところでしょうか。テレビ小説ではあいまいにことを済まさない夫の誠実さ、正直さ、また妻の優しさ、配慮が見てとれます。

 施設でも利用者の女心がなかなか読めないことがあります。もともと高齢者施設の女性利用者は多く、私たちの施設も男性7人に対して女性53人で、男性利用者よりは接する機会ははるかに多く、接遇には慣れているはずですが。施設長として修業がまだ足りないのでしょうか。生活相談員に聞きました。男性の場合この数年間、相談は1件もないとのことで、「相談がないのは発掘できていない」のではなく、要望や願いもコンパクトにパンパンと立ち話などで済み、内容もその場で解決できる単純明快なものが多いと言います。女性は相談中も慎重に言葉を一つ一つ選び、物理的なことよりも対人的な内容が多いようです。相談中も内容が微妙に変わり、言葉の裏まで読み解くこともあると言います。相談を受けた後に沈思熟考し、あらためてアドバイスし直すことあるそうです。

 例えば、ご家族と共有したほうがいい情報の相談が持ち込まれても、「このことは家族に言わないで」と制止され、言わなかったら「どうして言ってくれなかった」とただされる場合があるそうで、「禅問答よりも難解ですよね」と相談員は苦笑します。これなど「コミュニケーション技術の不足」と職員をしかる訳にもいかず、やはり禅問答だと失笑することもあります。しかし、施設長としては「利用者の心を読めるようになると一人前。腹を割って話せる関係作りも」と付け加えます。

 秋の空、秋の天候は変わりやすいように女性の気持ちも移り気だと、「女心と秋の空」とのたとえ話がありますが、男性も同じくらい移り気だと「男心と秋の空」との話もあります。台風18号もサハリン沖で温帯低気圧となり、さすがに高知も秋めいてきました。本日の高知市の最高気温は30度を超えていないようで、職場は冷房もいれず、職員の出で立ちも秋らしいやや深い色の長袖といった塩梅です。見上げる空はかなり高くなっていて、筋雲や羊雲も見受けられます。そして背景は青一色で飽かず眺めることができます。秋の空もしばらくは安定しそうです。落ち着いた、美しい秋の空を女性と重ね合わせ、違った視点を持つのものもこの時季ならではと思います。

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